【コラム】自己啓発本依存症の果てに

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僕の読書人生が開花したのは遅く、30歳くらいでした。ビジュアルではなく文章だけのデザイン書を買ったのが始まりだったと思います。その本は「デザインのデザイン」で、大御所デザイナー原研哉さんが書いた書籍。デザイナーである僕は、この本に感銘を受け、こういった哲学などを読むことも悪くないなぁ…、っと味をしめるきっかけとなりました。

それから、しばらくは有名デザイナーのデザイン哲学本を読み漁り、やや飽きた頃に「ニーチェの言葉」を手に取ったのです。そこで初めて味わう人生哲学。なんでもっと早くこういった本の存在に気づかなかったんだろう、っと思ったくらいです。それを皮切りにその辺りに平積みされている自己啓発本(人文・ビジネス・実用など)に手を伸ばし、メキメキはまっていきました。

ちょうど、僕自身、仕事のことで悩みも多く、独立したいと思っていた時期だったので、それらの本たちに、どれだけ勇気付けられたことか計り知れません。本を読んでいなかったら鬱になっていたと思います。

ただ、自己啓発本は、アプローチが違えど基本的な考えや教えはほぼ一緒です。それとわかっていても、自己啓発本をやめられない自分に、だんだん腹がたつようになってきたんです。これはただの自己啓発本依存症だと。そんな辛い状態が5年ほどつづきました。

今現在は自己啓発本は当時ほどは読んでおらず、月に2冊くらい、気が向けば買う程度です。おそらく、自分自身から少し毒気が抜けたんだと思います。ですが、自己啓発本を読み漁った辛い日々を無駄だと思っておりません。今は読んできたもの1つ1つが自分の身になっていることを実感しています。読んでいた当時は「思考なんて現実化しないじゃん」なんて思っていましたけど、思い返してみると、過去の思っていたことが、今現在、現実化していることに気づきました。最近では、「そんなことまで現実化するの!」とびっくりしています。

今、自己啓発本依存症の方に言いたのは、それらの本は、一冊たりとも無駄にならなず、必ず未来の自分を作る礎となります。毒気が抜けるまで読み漁りましょう! その辛い時期が大切なんだと思える日がきっと訪れます。